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官僚日記

理想の女、理想の政策

考える人、指示する人、実行する人

政策論

この世の中は3層構造である。すなわち、

・問題の所在を明らかにし、何をなすべきか考える人間(A層:学者、シンクタンクコンサルタント的な集団)

・A層から提示されたいくつかの理論のうち一つを選択してなすべきことを具体的に指示する人間(B層:政治家、経営者的な立ち位置)

B層から与えられた指示を具体的な形に仕上げていく人間(C層:官僚、一般ビジネスマンなど現場で働く人々)

の3者。俺はC層なのでその立場からものを言おう。いまこの国にA層は不要だ。ぶっちゃけて言えば、偉そうな審議会でA層たちを集めて延々と議論している「べき論」の中身というのは、本質的には30年前からほとんど変化がない。少子高齢化がヤバイ、借金がヤバイ、地方がヤバイ、経済構造がヤバイ。それらがヤバイなんてことはみんなわかっていて、それこそ現場の作業員にすぎない官僚たちも、上は事務次官から下は入省1年目のひよっこまで当然認識しているのだが、何か理由があって解決できないまま積み残しとなってここまでやってきたわけだ。このままいくと国の借金がとんでもないことになるなんてことは耳にタコができるくらい聞き飽きてんだ

より正確な議論をするのであれば、少なくともいまこの国には(1)超具体的で、(2)実行可能性をすみずみまで点検した上で、(3)クリティカルな処方箋を提示できるA層だけが求められている。いま審議会にお呼ばれしているようなA層は、大抵上記のいずれの基準も満たしていないことが圧倒的に多い。優秀な人でも(1)と(3)をギリギリクリアできるくらいで、およそ(2)の視点はない

ではなぜこの国の行政がギリギリのところで回っているかと言うと、B層とC層の尽力による部分が大きいと思っている。そもそもA層が圧倒的に優秀であればB層の仕事はない。選択した提言をそのままC層に伝えればお役御免だ

ところがA層が無能すぎるがゆえに、B層・C層であっても一定程度の付加価値をつけてあげないとどうにもこの国は回らなくなってしまっている

あるべき姿(国の借金をなくす)はわかっている。どうすればいいか、結論(歳入を増やす)は出ている。しかしどうしても実現が難しい(消費増税は選挙に負ける)。では、どうすれば目標に向けて一歩でも前進していくことができるのか(→比較的実現が容易な小玉な施策の積み重ねなど)。国家行政の最前線で、B層とC層は本当に毎日頭を抱えながら奮闘している

よく「官僚組織は日本最強のシンクタンクなのだから、政治家は官僚をもっと活用すべき」という言説を拝見するが、それは本来的な役割としてはおかしい。国政の現場に携わる人間から見れば、この国にまともな学者やまともなシンクタンクが存在しないから、本来は現場の作業員にすぎない官僚がやむを得ず知恵を絞っているだけなのだ

「官僚支配」なのではなく、官僚にすべて丸投げせざるを得なかっただけなのでは?

A層の強化と淘汰がのぞまれる