官僚日記

現役若手官僚の絶叫

官僚は無能なのか

よくある官僚無能論について。最近では不夜城霞が関で薄給ながら24時間365日国のために尽くす素晴らしい人々などという見方もちょこちょこ出てきているが、官僚無能論は未だに日本に根強い。実際に働いている人間からすると、問題の根本は非常に単純明快で、

年々業務量は膨大化していっているのに人数は削減される一方

というただ一言に尽きると思う。

基本的に役所というのはその存在の性質からしてスクラップアンドビルドが極めて苦手な組織である。基本的に彼らは「効率性」という言葉を全く重んじない。何か新しいことを立ち上げるのに理屈が必要なのはどの組織でも同じだが、鳴り物入りでスタートしたある行政サービスが何年かののちその役割を終え、明らかに当初からは注目度が低下し誰も気に留めなくなったのに、「廃止する理屈がない」という理屈で延々と続けられる行政サービスのいかに多いことか。

一方で野党は延々と公務員バッシングを続け、行政のスリム化の名のもとに定員は年々縮小されていく。これでは当然一人あたり業務量は増加し、本来注力すべき業務へのリソース配分が低下することでクオリティの低い行政サービスが提供されてしまう。

こうしてずさんなアウトプットを見た政治家と国民が「最近の官僚どもはだらしない」と騒ぎたて、もっとこの役立たずどもの人数を減らせと喧伝し、さらに少ない人数で既存のあらゆる所管業務を担当することになり、一層低質なサービスが供給され、・・・という無限地獄が繰り返されていくのである。